amazonで買ったDC12V直流エアコン(パーキングクーラー)に真空引き&ガスチャージをしていきます。
配管から漏れがないか?冷たい風が出るのか?
一番、ドキドキ&ワクワクする作業でしたね〜。
エアコンから涼しい風が出て来た瞬間は、もう、感動ものですね!!
真空引きとガスチャージは初めてでしたが、素人でも案外普通にできました。
作業方法はカーエアコンと同じなので、不安な方は車屋さんにお願いするのもアリだと思います。
購入したエアコンはこれ。
目次
真空ポンプ
今回使ったポンプはこちら。楽天が安かったです。
マニホールドの取説が英語で分かりにくかったですが、どれも同じ使い方なのでyoutubeで確認すればOK。
真空ポンプはレンタルも可能ですが、新品で買いました。
以下の理由から、新品購入をオススメします。
- レンタルよりも新品で買って、メルカリで売る方が結局安い
- エアコン設置やガス充填に手間取っても返却期限がないので安心
- エアコンの初期不良等で期間が伸びても再レンタル不要
中国メーカーのエアコンは初期不良もそこそこあるので、1回で上手くいく保証はありません。
その点、新品を買えば無事に動いてから売ればいいので、トラブルがあっても安心です。
実際に、新品を買って1度だけ使って売りましたが、送料と手数料を差し引いても、約2000円の負担で済みました。
ポンプの使用前準備
取説に従って、ポンプにオイルを注入します。(新品は空で送られてきます)
もちろんオイルも付属されてます。
オイルを下限ラインまで注入して、ポンプを1分くらい運転します。
1分後、ポンプを停止してオイル量が下限〜上限の間に入っていることを確認。
オイルが不足していたら追加します。
ポンプの準備はこれでOK。実際にエアコンを真空引きしていきます。
エアコンの真空引き
各ホースを接続する
真空ポンプ、マニホールド、エアコン室外機をホースで繋いでいきます。
各ホース・ゲージ・カプラーは、すべて色で区別されています。
- 赤:高圧側→細い冷媒ホース
- 青:低圧側→太い冷媒ホース
- 黄:真空ポンプ
まずは高圧(赤)・低圧(青)ホースの先端にR134a用の変換カプラーを接続します。
ホースは両端の金具が若干違っていて、それぞれセット先が決まっています。
・金具がまっすぐ(写真左側)→マニホールド側
・金具が曲がっている(写真右側)→室外機or真空ポンプ側
エアコン室外機へのカプラー接続は、高圧・低圧でサイズが違うので間違えることはありません。
真空引きスタート!
真空引き前の圧力を確認。もちろん、高圧・低圧ともに0です。
メーターにはいくつも単位がありますが、以下のように使いました。
真空引き時(減圧状態)→inHg(緑色)
ガス充填時(加圧状態)→bar(黒色)
0以下の減圧状態では、inHgしかメモリがなかったので・・
inHgは初めて見た単位です。
マニホールド・真空ポンプ・室外機(低圧・高圧)をすべて接続できたら、マニホールドの高圧・低圧のバルブを両方とも「open」にして・・
真空ポンプのスイッチをON。
この状態で30分ほど放置します。(取説では最低20分)
真空引きを開始すると、メモリがグングンとマイナス側(減圧)に振れていきます。
低圧側はあっと言う間に、最大メモリの「-30inHg」に達していました。
高圧側は少しゆっくり減圧された感じ。
30分後のメモリの状態。(低圧側)
最大メモリの-30inHgを少し振り切っている?感じです。
同じく30分後のメモリの状態。(高圧側)
こちらは-20inHgくらい?低圧側ほどは引けていませんね〜。汗
両方のバルブを「開」のまま、10分放置して空気の漏れがないか確認します。
10分後、メモリには全く変化がありませんでした。
配管の接続やホースのカシメ状態には問題なさそうで一安心!
高圧側は低圧側ほどは減圧されない?
配管に漏れはなかったですが、高圧側が低圧側ほど引けていないのが気になりました。。
この程度が正常なのか、減圧が不十分なのかが分からず結構悩みました。
配管の接続部を増し締めして、2回やり直しましたが、やっぱり-20inHgが限界。
ネットで調べても、低圧・高圧ともにメーター振り切りました!みたいな人もいて余計に心配に。。
よくよく画像を確認すると、その方々のメーターはボクのとメモリが違っていることを発見!
高圧側のメーターにはマイナス値のメモリがないし、プラス側も最大値が35balと狭い(ボクのは55bal)。最大値が狭いということは、少しの圧力変化でも針がたくさん動き、振り切りやすい。
確証は持てませんでしたが、漏れはないみたいだし、メモリの違いが原因?と信じて先に進めました。
いよいよ、ガスチャージ!
真空引きが無事に?できたので、ガスチャージに移ります。
ガスは4缶あれば十分ですが、予備用なのとセットが安かったので5缶用意。
- エアコンの真空引き後、配管の漏れを確認(高圧・低圧バルブopen)
- 真空ポンプを外してガス缶をセット(高圧・低圧バルブclose)
- ガス缶に穴をあける(高圧・低圧バルブclose)
- エアパージして黄色ホース内の空気を追い出す(高圧・低圧バルブclose)
- 1缶目を高圧側からチャージ(高圧バルブのみopen)
- 1缶目が空になったら高圧バルブをcloseし、ガス缶を外す
- 2缶目をセットし、再びエアパージ(高圧・低圧バルブclose)
- エアコンスイッチONで全力運転(高圧・低圧バルブclose)
- 2缶目を低圧側からチャージ(低圧バルブのみopen)
- 以後、2缶目の操作を繰り返し、規定量のガスをチャージする。
【補足】
今回はエアコンが空の状態なので、1本目を高圧側からチャージします。
一方で、ガスを補充するとき(エアコン内にガスがあるとき)は低圧側から入れるので、間違えないようにして下さい。
間違って高圧側をあけると、高圧側の圧力がガス缶より高いため、ガスが逆流して缶が破裂する恐れがあります。怖いですね。。
空からの充填では逆流する危険はなく、一定の圧力になったらエアコン内と缶内の圧力が同じになって、ガスが入らなくなるだけです。
心配な方は、最初の1本目から低圧側にチャージするのが安心だと思います。(真空引き後、高圧側バルブには触れない。)
作業の安全上、そのように紹介されている方もいました。
低圧側からの充填だと多少時間がかかるかもですが、安心して作業ができます。
①ガスチャージ前に再度真空引き
漏れ確認でメモリに変化はなかったですが、ガスチャージ直前にもう一度、5分ほど真空引き。
その後、マニホールドの高圧・低圧バルブをどちらも「close」にします。
これを忘れると、せっかくの配管内が大気圧になっていまいます。
②缶切りバルブのセット
缶切りバルブをガス缶にセットしていきます。
写真の状態では中心から針が出ていますが、このまま缶にセットすると、いきなり穴が空いてガスが漏れてちゃうので
先端の蝶ネジを回して針を引っ込めておきます。
缶切りバルブを取り付けるときはこの状態です。
缶切りバルブをガス缶にセットしたら、黄色ホースを真空ポンプから外して、缶切りバルブに接続します。
接続できたら、蝶ネジを回して缶に針を刺していきます。
刺さった状態では針がフタになってガスが出てこないので、蝶ネジを回して針を引っ込めます。
すると、プシュっと音がしてガスがホース内に出てきたことが分かります。
③エアパージ
ガス缶の準備ができたら、エアコンへチャージする前に、黄色ホース内の空気を追い出します。これをエアパージと言います。
(黄ホース内にはポンプを外したときに空気が入っています)
マニホールドのこの部分に虫ネジがあるので、先の細い工具で押すと、ガスに押されてホース内の空気が勢いよく出ます。
このとき、缶を逆さまにしておくと、空気が抜けた後に液体のガス(白い)が出て、空気が抜け切ったのが分かり易かったです。
押す時間は一瞬だけなので、1秒もありません。
ここまで来たら準備OK!いよいよエアコンにチャージしていきます!
④1本目は高圧側からチャージ
エアコンが空の状態からガスを充填するときは、高圧側(赤色)からチャージします。
ガスを入れるために高圧側のバルブを「open」にします。
高圧側に入れるときは、ガス缶を逆さまにして、液体状態で入れていきます。
あっと言う間にガス缶が空になりました。
1本目を入れ終わった後のメーターはこんな感じ。
2本目に移る前に、高圧側のバルブを「close」にしておきます。
うっかり閉め忘れると、せっかく入れたガスが漏れてしまいます。
1本目を外して2本目をセットして、再びエアパージしたら準備OK。
⑤2本目以降は低圧側から
2本目も高圧側から液体状態で入れようとしましたが、すでに1本入ってガス圧がかかっているので、ほぼ入りませんでした。
2本目は最初から、低圧側からチャージするればいいと思います。
低圧側へのガスチャージは、コンプレッサーを稼働しながらです。
室内に移動してエアコンのスイッチをON。
コンプレッサーを最大能力で動かすために、エアコンは最低温度(4℃設定)&風量MAXにします。
設定温度に到達して省エネ運転しないように窓も全開に。
それにしても、チャイナエアコンの風量MAXはハンパなく強いです。笑
扇風機のMAX並みか、それ以上の風量がエアコンから出ています。笑
外に戻って、低圧側のバルブを「open」にします。
低圧側の充填では、ガス缶を正方向に立てて、ガス状態で充填していきます。
※エアコン稼働中に液体ガスを充填するとコンプレッサーを痛めます
気体状態での充填では、ガス缶が気加熱で冷えてどんどん充填されにくくなります。
手で温めるのもいいですが、バケツにお湯を張って缶を温めるのが一番効率がいいみたい。
お湯の準備が少し面倒ですが、結局この方法が早く終わるそうです。
たしかに、お湯に浸けたので数分で空っぽになりました。
⑥3本目以降は2本目の操作を繰り返す
3本目以降は、2本目の操作を繰り返して、規定量のガスをチャージすればOK。
ガス缶が空になったら、低圧側のバルブを「close」、新しいガス缶をセット、エアパージして、低圧側のバルブを「open」、ガス缶をお湯に浸けて空になるのを待ちます。
充填中は、メーターの圧力を見て規定値を超えていないかもチェック。
R134aのエアコンは、ガスが足りなくても入れ過ぎても冷えないので、規定の量(規定の圧力)になっていることが重要です。
⑦充填完了!圧力値を確認!
圧力値はメーカーに問い合わせて確認しました。
コンプレッサー起動中の数値で、高圧側は室外機の周囲温度によって違います。
- 低圧側:2〜3.5bal
- 高圧側:9〜11bal(25~30℃)、10〜12bal(30~35℃)、12〜15bal(35~40℃)
この日の気温は約35℃でした。4本充填した後の圧力はこちら。
低圧側は3.2bal。
高圧側は13bal。
高圧側が若干高い気もしますが、問題なくチャージできていそうです。
この後しばらく運転しましたが、特にエアコンからエラーが出ることもなく一安心。
ガスチャージ後の吹き出し温度を確認
無事にガスチャージまで完了したので、最後にエコアンから冷たい風が出てくるか確認!
(この写真は後日撮りましたが、測定時の様子として載せています)
温度計の時間が狂っていますが、測定時刻は15時です。
なんと、19.7℃という結果に・・・。しかも19.7℃で81%の湿度は高すぎます。汗
適正な温度は外気温によりますが、9〜12℃くらいみたい。
出てくる風もぬるいです。
どうしたもんかと悩んでいると、どうやらエアコンの設定がよくなかったようです。
ガス充填の流れで測定したので、風量MAXの爆風になっていました。
どうやら、エアコンが冷やせる以上の風が出ているために、風がぬるかったと推測しました。
(そうなら製品の設計がイマイチな気も・・・)
翌日(10:23)、設定温度と風量を最低にして再度測定したところ・・・
しっかり6.6℃まで冷えていました!よかったー!(温度計の時刻は修正しました)
体感的にもかなり冷たい風が出ています!!
湿度は79%となっていますが、これは吹き出し温度が低いせいなので問題ありません。
真夏の日中で車内を冷やせるのかは、これから検証していきます。
夜なら全く問題なく冷やせそうなので、夜(車中泊)の使用がメインなら十分なはず。
家庭用エアコンと比較
比較用として、自宅の6畳用エアコン(2.2kW)も測定しました。
温度と風量を最低にして、一番冷たい風が出るように設定。
このときは16:40です。
吹き出し温度は9.6℃。かなり冷たい風が出ています。
家庭用エアコンと比較しても、吹き出しの温度は遜色ない結果となりました!
(全く同じ条件での比較ではありませんが)
最速で車内を冷やす設定は?
さて、今回吹き出し温度を測定して1つ疑問が生まれました。
それは、「最も早く(最も強力)に車内を冷やせる設定とは?」ということ。
家庭用エアコンなら設定温度を下げて、風量を上げればより早く・より強力に室内を冷やせますよね?
ところが、どうやらこのチャイナエアコンは最適な風量が設計されておらず、風量を上げ過ぎると逆に室内が冷えない、という事態になりそう。(まだ推測ですが。)
風量は6段階で設定できますが、MAXだと強すぎて、結局ぬるい風が出てきます。
イメージ的には、エアコンつけたばかりで車内が暑いときは、風量を高め(4くらい?)にして、
ある程度冷えたら、その後は風量を絞って(1,2くらい?)冷たい風を出すのがいい?
これからいろんな設定を試してみようと思います。
まとめ
amazonで買ったDC12V直流エアコン(パーキングクーラー)の取り付け〜ガスチャージが無事に完了!
ガスチャージは案外簡単で、素人のボクでも問題なくできました。(もちろん注意は必要)
エアコンの吹き出し温度は6.6℃と激冷え。家庭用と同等の冷たい風が出て感動しました!
ただし、風量が強すぎると風がぬるくなるようなので、最適な設定を探ってみます。
※家庭用エアコンでは想像できない風量が出ます
真夏の日中でキャンピングカーをどこまで冷やせるかは、これから検証していきます。
これだけの能力なら、夜(車中泊)は間違いなく余裕で冷えるでしょう。
エアコンがなかったときには考えられない、快適な旅ができそうです!