これからサーフィンを始める方は、サーファーがどんな車に乗っていて、どんな車が自分に合っているのか気になりませんか?
ボクは関西に住んでいて、週末はサーフィンしに片道200km以上かけて伊勢や伊良湖、静岡に行っています。車はトヨタの「ハイラックスサーフ」に乗っています。この車はオフロード(砂などの未塗装の道)で定評のある「プラド」とシャシィー(車の骨組み)が共通の4WD車です。ボクがこの車を選んだ理由は以下の3つです。
①ビーチに車で乗り入れできる
②荷物がたくさん載せられる
③見た目がカッコいい(好みの問題ですが)
特に①についてですが、ボクがよく行く静岡のポイントでは、駐車場に限りがあるためビーチに停めているサーファーも多いです。しかし、いざサーフィンを終えて帰るときにタイヤがスタック(砂にハマって空転すること)して自力で脱出できなくなっている車を何台も見てきました。ボクのハイラックスサーフはオフロードでもグイグイ走ることができるため、2,3回牽引して助けたこともあります。こんなとき「誰もいないビーチで牽引が必要になったら」と考えると「この車に乗っていてよかった」とつくづく思いました。
住んでいる場所やサーフィンするポイントによっても、自分に合った車は違ってきます。そこで今回は、車のタイプごとにサーフィンに使う場合のメリットとデメリットについて説明します。
目次
①4×4オフロードカー、SUV
ボクの乗っている「ハイラックスサーフ」はこちらのタイプに分類されますが、サーファーやアウトドア派にとても多い車です。見た目もカッコいいですし、オフロード仕様ならビーチに車で乗り入れてもスタックする心配がありません。オフロード仕様の車としては、ランクル、プラド、パジェロ、ジムニー、ラングラーが人気です。
◯メリット
・ビーチに乗り入れても安心
・エンジンや車体がタフ
・荷物をたくさん積める
・車高が高くて運転しやすい
ボクはこれまでに30~40ポイントくらいでサーフィンしましたが、ビーチに乗り入れて駐車する場所も3,4箇所はありました。「目の前でいい波が割れているのに、ビーチに駐車できなくてサーフィンできない!」なんてことも必要もなくなります。
ボクの友人はムーブに乗っていますが、日本海の人がいないビーチでスタックしてしまい、JAFを呼んで助けてもらっていました。その件がトラウマとなって、ビーチに乗り入れることはやめたそうです。
加えて、エンジンや車体がタフなため、安心して長距離の旅に出かけることができます。これは未知のポイントに旅してサーフィンしたい方にはとても心強いです。特にトヨタの「ランクル」はオフロード車として定評がありますが、世界中のオフロードでガンガン走っていることからも、その耐久性の高さが証明されています。
◯デメリット
・車体が大きい
・維持費がかかる
・山道や風が強いときは重心が高くて不安定
最大のデメリットは維持費が高いことです。オフロードでもタフに走れるように足回りが頑丈に作られている分車体がとても重く、その重いボディーを動かすために排気量の大きいエンジンを積んでいるため、燃費は悪いです。
ボクの「ハイラックスサーフ」は排気量が2.7Lとだいぶ小さい方ですが、それでも高速道路で8km/L程度です。ランクルなんかは5km/Lなんかもザラだと聞きます。
燃費以外にも、車重と排気量が大きいと重量税と自動車税が高いですし、タイヤも1本で軽自動車1台分の値段がします。
【こんなサーファーにオススメ】
・維持費を気にしないで乗れる方
・いろんな場所を旅してサーフィンしたい方
エンジンや車体がタフなため、波を求めていろんな場所に安心して旅できます。しかし、頑丈なボディーと引き換えに維持費は結構かかるため覚悟が必要です。
ボクは年間2万キロ以上走っていますが、ガソリン代だけでも30万以上はかかっています。
維持費が気になる方は「ジムニー」の選択もありです。軽自動車で維持費はとても安いですが、オフロード性能は十分高いため、荷物と人をたくさん載せない方にはオススメです。
②ピックアップトラック
サーファーのイメージといえばピックアップ!という方も多いのではないでしょうか?日本ではあまり見かけませんが、海外に行くとよく走っていますね。特にハワイではピックアップにサーフボードを積んでいるサーファーを多く見かけますが、めちゃくちゃカッコいいです!
少し前にトヨタからハイラックスが復刻して話題となっていますね。
◯メリット
・汚れた荷物をラフに積める
・トランクが汚れても水で洗い流せる
・トランクにボードを積んでいる姿がカッコいい
・乗っている人が少ないため人目を引く
サーフボードやウエットスーツなどの道具をさっとトランクに積んで海に迎えるため、気軽にサーフィンに行けます。砂がついたボードもそのままトランクに載せられるため一度海に入った後のポイント移動も簡単です。
トランクが砂で汚れても洗車で簡単に洗い流せるため気になりませんし、トランクの上で着替えできるため足に砂がつきにくいです。
◯デメリット
・車体が大きいため狭い道は大変
・サーフボードを積んでの高速道路には不向き
・車内スペースは狭いため車中泊には向かない
・長時間駐車するときはサーフボードの盗難が心配
車体が大きく日本の道路事情には向いていないため運転が得意な方が乗るべきでしょう。サーフボードをトランクに積んで高速を走るのは空気抵抗でボードが不安定に揺れるため、へこみや破損の原因となる可能性もあります。ハードケースに入れて持ち運べば問題ありませんが、そこまですると「ピックアップのメリットである積荷の手軽さ」が薄くなるように思います。
また、トランクはオープンになっているため荷物の盗難も心配ですし、日差しが強い日はサーフボードやウエットスーツも劣化します。
【こんなサーファーにオススメ】
・近場でのサーフィンがメインの方
・デメリット以上に見た目が好みの方
近場でサーフィンする方にとっては、手軽にサーフィンに行けるためメリットが大きいです。デメリットや不便さもたくさんありますが、それ以上にめちゃくちゃカッコイイので「見た目がドンピシャ」な方には価値のある車だと思います。
サーファーでも乗っている人はそんなに多くないため、走っているとつい目で追ってしまいます。ボクも一度は乗ってみたい車です。
③バン(ハイエース)
◯メリット
・長めのボードを車内に載せられる
・足を伸ばしてフラットに車中泊できる
・エンジンが長寿命
ハイエースはキャリアなしでも長いボードが載るし、広々と車中泊ができるためサーファーにも多いです。海が遠い場所に住んでいるサーファーにとって、前日の夜に出発して駐車場で広々と仮眠できるのは嬉しいです。人と荷物がたくさん乗るため、家族や仲間と出かけることができます。
バンは商用車で長距離走れる設計なので、エンジンがタフで平気で30万km以上走ってしまいます。長く安心して乗れる車なので、毎週サーフィンしに長距離走る方には心強いです。
車中泊のグッズについては、こちらの記事に詳しく書いています。
◯デメリット
・商用車のため遮音性や断熱性は低い
・そこら中でいくらでも見かける
あくまで商用車のためキャンピングカーと比較すると遮音性や断熱性は低いので、真夏に車中泊するのは厳しいです!
窓を開けて寝れば暑さは大丈夫に思えますが、窓を開けていると蚊に刺されてかゆ過ぎて全然寝られません!
サービスエリアや道の駅は夜でもトラックのアイドリング音が結構うるさいです。耳栓をすればある程度静かになりますが、神経質な方には向かないでしょう。
【こんなサーファーにオススメ】
・キャンピングカーは必要ないけど車中泊をよくする方
・数人で荷物を積んで快適に旅したい方
・キャリアを使用しないでボードを持ち運びたい方
他の車と比べてエンジンルームを狭くしてスペースを確保しているため、トランクは圧倒的に広いです。その広さから荷物をたくさん積んだり、大人2人でもストレスなく寝られるスペースあります。
キャンピングカーには必要以上の装備があるため、必要ない方にとっては選択肢から外れますが、移動と睡眠の快適さを求める方にはハイエースがピッタリです。
キャリアを使用しなくても長いボードも積めるのは手軽ですし、旅行中に車を離れても盗難の心配がありません。
④ステーションワゴン
◯メリット
・トランクに奥行きがあり、長めのボードも載せられる
・車高が低いため横風や高速走行での安定性が高い
・馬力のある車が多い
トランクに奥行きがあるため荷物を十分積むことができますし、長めのボードも車内に載せられます。車高が低い分、高速走行や山道でも安定して走ることができますし、馬力のある車が多いため荷物をたくさん積んでもストレスなく加速できます。
◯デメリット
・トランクに高さがないため荷物を重ねて積めない
・車中泊するには圧迫感がある
トランクには奥行きはありますが、高さがない分ため車内で寝たり休憩するには圧迫感があります。トランクも横幅は狭いため、大人が2人で寝るには狭いです。
【こんなサーファーにオススメ】
・高速道路を速く快適に走行したい方
・車中泊はあまりしないが、荷物はたくさん積みたい方
荷物と人をたくさん積んでも快適に安全に走ることができるため、長距離を移動するサーファーに向いています。車中泊は快適にできないため、基本はホテルに泊まるか簡単な仮眠程度しかしない方にはよいでしょう。
⑤ハイブリットカー、コンパクトカー
◯メリット
・維持費が安い
・軽自動車なら高速道路が安い
・車体が小さいため細い道でも走りやすく運転しやすい
サーファーはいろんなポイントを回って波のコンディションを観察したり、サーフトリップで長距離を移動したりするため、ガソリン代が結構かかります。そのため、燃費のいい車はサーファーのお財布にとても優しいため、交通費を気にせずサーフィンにガンガン行くことができます。
また、ポイントによってはかなり狭い道を走ったり、駐車場が狭いことも多いため、車が小さいことによるメリットもあります。
◯デメリット
・荷物があまり乗らない
・長いボードは乗らない(ファンボードがギリギリ)
・パワーや安定性が低いため、高速道路の走行は疲れる
高速走行は少々不安定で神経を使いますが、スピードを出さなければ問題ないレベルです。2人以上で行く場合はトランクが小さいため、荷物を必要以上に持っていかないことや、ボードをキャリアで外積みにするといった工夫が必要となります。
【こんなサーファーにオススメ】
・維持費を安く済ませたい方
・1人か2人でサーフィンに行く方
サーフィンは荷物が多いため、コンパクトカーで快適に移動するとなると2人までが望ましいです。ボードはキャリアで外積みにするか、短いボードを持って行くとトランクに余裕ができます。
3人で行く場合は、シャワーや水道のあるポイントやボードを海の近くのショップに置いておく(またはレンタルする)必要があります。
「サーフキャリア(外積み)とトランク積みのメリット・デメリット」についても近々記事を書きます。
⑥キャンピングカー
キャンピングカーは最強の旅車です!サーファーは波を求めて旅に出ることが多いため、キャンピングカーはとても相性のよい車です。
キャンピングカーについて、こちらの記事で詳しく解説しています。
◯メリット
・快適に車中泊でき、寝る場所を気にせず旅できる
・車内でシャワーが浴びられる
・家族や仲間と気の向くまま旅に出かけられる
キャンピングカーは「快適に寝る」ことを目的に設計されているため、他の乗用車と比べて遮音性や断熱性がとても高いです。ボクはハイラックスサーフで車中泊をすることもありますが、夏は暑すぎて寝られたもんじゃないです!かといって窓を開けて寝たときは耳栓してても外がうるさいし、蚊にさされてかゆくて全然寝れませんでした。
冬のサーフィンでは海から上がった後の着替えがめっちゃ寒いですが「車内で暖かいシャワーを浴びて、暖房のきいた車内で快適に着替えができる」キャンピングカーは最高じゃないでしょうか?考えるとますます乗りたくなってしまいます!
◯デメリット
・維持費が高い
・車両価格も高い
・立体駐車場に入らない
・スピードが出せないため一気に長距離の移動は大変
キャンピングカーは新車で買うと安くても700万ほどしますし、快適装備が多い反面、他の車以上に修理やメンテナンス代が必要になります。また、車高が高くて立体駐車場が使えないため、中心街に停める場合は苦労することもあります。
最近は軽自動車ベースのキャンピングカーも人気ですが、あくまで1,2人での旅が限界です。
冒頭の写真は「キャブコン」と呼ばれるもので、皆さんが「キャンピングカー」と聞いてイメージされると車だと思います。キャブコンはベット、キッチン、冷蔵庫、シャワー、トイレが装備されており、ちょっとした家のように泊まることができます。
一方、「バンコン」と呼ばれる一見すると普通の乗用車のようなキャンピングカーもあります。ベースはハイエース等のバンであるため立体駐車場も問題なく、ベットやキッチンは備わっていますし、車体もそれほど大きくないため日本では使い勝手がよく人気があります。
【こんなサーファーにオススメ】
・場所を選ばずに快適に寝泊まりしたい方
・車中泊で長期間の旅に行きたい方
車中泊を長期間するとなると毎日快適に寝られる環境が大切なわけですが、キャンピングカーはその点において圧倒的に優れています。旅するように生活したい!というサーファーにとっては最高の相棒になるでしょう。
ボクの最近の夢は「サーフボードを積んでキャンピングカーで仲間や家族と気ままに旅に出かけること」です。男のロマンですよね。なかなかお金が貯まらないでしょうが(笑)
⑦輸入車
◯メリット
・高速走行の安定性がとても高い
・馬力が強いため人や荷物をたくさん載せてもガンガン走れる
輸入車(特に欧州車)は日本車と比べて高速安定性が非常に高いため、長い時間高速を走っても疲れにくいです。これは、日本では高速道路の制限速度が時速100kmなのに対し、欧州車は速度無制限のアウトバーンを走ることを想定して設計されているため、足回りの強度が全然違うのです。
そのため、欧州車にとって時速100km程度はウォーミングアップみたいなもので、走っていてもハンドルのブレは全然なく、安心して走れるため疲れにくいです。
◯デメリット
・車種によっては故障しやい
・日本車よりは維持費が高い
・燃料がハイオク
最近の輸入車は故障しにくくなっていますが、そもそも使用する環境が全く違うため、車種によっては故障しやすい物もあります。
もともと輸入車は高速を長距離走行すること想定されているので、日本の短距離かつストップ&ゴーが多い環境では車に負荷がかかりやすいです。その上、気温と湿度が高い日本は車にとっては過酷な環境です。
また、外国のガソリンは日本と規格が異なることから、日本で輸入車に乗る場合はほとんどハイオク指定となってしまいます。ハイオクはだいたいレギュラーより10円程高いです。
【こんなサーファーにオススメ】
・ポイントまでの移動距離が長い人
・疲れず快適に移動したい人
・人と違う車に乗りたい人
輸入車(特に欧州車)はとにかく高速道路での運転が疲れにくいため、長距離運転される方にオススメです!
ボクはちょくちょく嫁の車(ミニ)を運転しますが、以前にボクが乗っていた国産スポーツカー(スバルBRZ)よりも高速域の安定性能が高いのには驚きました。ミニで総距離2500km以上の東北旅行にも行きましたが、ハイラックスサーフでの九州一周(同じく2500km)とは比べ物にならないくらい運転が楽でした。
毎週サーフィンしに長距離を運転するのであれば、輸入車がとても楽ですよ!
まとめ
以上、サーファーにオススメの車について解説しました。それぞれにメリット・デメリットがありますがサーファーにとって「車は単なる移動の手段」ではなく「一緒にサーフィンに行く相棒」として自分の気に入った車を見つけて下さい。
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