最近はポータブル電源でも、安全性を重視した「リン酸鉄リチウムバッテリー」を搭載したモデルが主流になりつつあります。
例えユーザーの使い方が原因であっても「ポータブル電源が発火!」なんてニュースが流れるとメーカーへの悪影響も大きいと推察します。
そう考えると安全性の高い「リン酸鉄リチウム」への流れが当然かもしれません。
いずれにせよ、メーカーがより安全性に配慮してくれるのは大歓迎です!
我が家ではポータブル電源を2台所有しています。
小型の「RIVER2」と大容量(2048Wh)の「DELTA 2 Max」、どちらもEcoFlowです。
前キャンピングカーのサブバッテリーをリチウム化した記事はこちら。
目次
リン酸鉄リチウムバッテリーの特徴
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、「リン酸鉄リチウム」「LiFePO4」「LFP」などと呼ばれます。
安全性が高い
一口にリチウムバッテリーと言っても様々な種類があります。
その中でも、リン酸鉄リチウムは安全性が高いのが最大の特徴。
例え熱をもっても極めて発火しにくいので、家や車中泊でも安心して使えます。
エネルギー密度が高いほどバッテリーはコンパクトにできますが、その反面、安全性は低下します。
イラストはhttps://www.no1biz.jp/blog/601/より引用
少し前までポータブル電源は「三元系(NMC)」が主流でした。
三元系はエネルギー密度が高く、コンパクトで大容量な設計が可能。
ポータブル電源のスペックを競うなら非常に魅力的な特徴です。
しかし、使い方によっては熱暴走して発火するリスクがあるのが最大のデメリット。
もちろん、各社は高性能なBMS(バッテリーモニタリングシステム)や安全回路の開発に力を入れてきました。
それでも万が一を考えると、電池自体が安全なのに越したことはありません。
寿命が長い
RIVER2、DELTA 2 MAXともに、3000回(※)の充放電をしても新品と比較して80%のバッテリー容量を維持できます。
スマホのバッテリー(主にリチウムポリマー)は1,2年も使えばかなり容量が低下しますよね?
スマホと比較すると、両ポタ電の寿命がいかに長いかが分かると思います。
※0%→100%充電し、100%→0%放電するのを1サイクルとして計算します
毎日使っても8年以上使用できる計算になります。かなり高寿命ですね。
それに8年経ったら使えないわけではなく、新品時容量の80%は使用できます。
RIVER2とDELTA 2 MAXのスペック
いずれもECOFLOW社のリン酸鉄リチウムなので、使用環境やサイクル回数は同じです。
容量はDELTA 2 MAXがRIVER2のちょうど8倍。
どちらも高速充電可能なので、コンセントがあれば短時間で充電できます。
|
RIVER2 |
DELTA 2 MAX |
容量 |
256Wh |
2,048 Wh |
重量 |
約3.5kg |
約23kg |
サイズ |
24.5 x 21.5 x 14.5cm |
49.7×24.2×30.5cm |
AC入力 |
100-120V 50Hz/60Hz, 最大8A |
100~240V (50 / 60Hz)、最大 15 A |
DC入力 |
最大100W |
最大126W (12.6V, 10A) |
ソーラー入力 |
最大110W |
最大1000W |
USB-C入力/出力 |
2個、最大 60W |
1個、最大 100W |
DC出力 |
1個、12.6V 8A, 最大100W |
1個、12.6V 10A, 最大126W |
USB-A出力 |
2個、最大12W |
4個、最大18W |
AC出力 |
2個、純正弦波、合計300W(サージ600W) 100V~ 50Hz/60Hz X-Boost 450W |
6個、純正弦波、合計2000W(サージ4000W) 100V~ 50Hz/60Hz X-Boost 2400W |
電池素材 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
リン酸鉄リチウムイオン電池 |
サイクル回数 |
3000回以上(80%+) |
3000回以上(80%+) |
放電温度範囲 |
-10°C 〜 45°C |
-10°C 〜 45°C |
充電温度範囲 |
0°C 〜 45°C |
0°C 〜 45°C |
RIVER2とDELTA 2 MAXの使い分け
サイズイメージの参考として13インチのMacBookと比較しています。
電池容量だけでも8倍の差があるので、バッテリーの大きさはかなり違いますね。
RIVER2
軽くて持ち運びしやすいので、屋外や乗用車で冷蔵庫や電気毛布を稼働するのに使っています。
かなりコンパクトなので、後部座席の足元に置いても邪魔になりません。
この状態で子ども達のDVDプレイヤーを充電しています。
内蔵バッテリーだと2時間も持たないので、今やロングドライブにはRIVER2が必須。
シガーソケット用のインバーターも考えましたが、RIVER2があまりにも安いのでやめました。
セールで約1.7万円で買えるし、走行中以外にも使えるRIVER2にしました。
容量は小さいですが最新の機能&安全性をもつトップブランドのRIVER2が1.7万円で買えるのはコスパ抜群です。
放電容量は最大450Wなので、負荷の軽い電化製品がメインとなります。
冷蔵庫、スマホ、PC、電気毛布、扇風機あたりの家電が使えます。
キャンプでも活躍すること間違いなしです
DELTA 2 MAX
サイズ・重量を考えると頻繁には移動させたくないですね。
バッテリーに負担のかかる真夏・真冬以外は、キャンピングカーに常設しておく想定です。
ソーラーパネルで充電しておけば、電気代節約&災害時の備えにもなります。
最大2400Wまでの放電に対応しており、ほぼ全ての家電に使用できます。(家庭用コンセントは最大1500W)
車内で電子レンジ・ケトル・ドライヤー、炊飯器を動かすのに使います。
写真はケトルと炊飯器を同時に使ったとき。瞬間的には2000W超えの消費もありました。
家のコンセントは定格1500Wなので同時使用はできませんね。
冷蔵庫は24時間稼働でバッテリー容量が必要なので、これもDELTA 2 MAXに賄ってもらいます。
エクストラバッテリーで容量を2倍or3倍に拡張も可能。容量不足を感じたらしたら追加します。
複数のポータブル電源を持つなら、メーカーはまとめておいた方が使い勝手がいいです。
充電ケーブルも共通なことが多いし、1つのアプリでまとめて管理できて使い方も同じなので便利です。
スマホアプリが便利!
まず、アプリのデザインがカッコいい。笑
そしても性能も優秀。無料なのにめちゃくちゃ使いやすくて感動しました!
こんな感じで登録済の機器の状態が一覧で確認できます。
AC・DCそれぞれの充電&消費電力(W)をスマホで確認できます。出力のON・OFFもボタン1つで可能。
ACはインバーターを稼働させるので、待機電力や寿命を考えると使わないときに手元でOFFできるのは嬉しい。
バッテリー残量の確認やON/OFF操作で、いちいち本体を触らなくていいのは地味に便利です。
接続はBluethoothとWiFiに対応。
外からでも家のWiFi圏内にあるバッテリーを確認&操作できるし、屋外で使うときもBluethoothの圏内なら操作可能です。
外出先から家のバッテリーを動かすことがあるかは分かりませんが。笑
各種設定画面
バッテリー残量はもちろん、充電・消費電力の確認やON/OFF、充電スピードや周波数、最大充電・放電レベルまでスマホで簡単に設定可能!
時間がないときは急速充電、自宅ではゆっくり充電してバッテリーの負担を減らせます。
満充電で長期間放置するのはバッテリーの負担になるので、しばらく使わないときは充電レベルを下げておく。
空まで放電するのも良くないので、通常は20%までの放電にしておく。
容量が必要なときだけ100%→0%まで最大限に使う、なんて最適な設定がアプリで簡単にできます。
車載冷蔵庫は何時間動く?
我が家に限らず、車中泊で常に使う電気といえば冷蔵庫。
その他の家電と違い冷蔵庫は24時間、電源ONにする必要があります。
冷蔵庫が何時間使えるのかは、バッテリー容量を選ぶで重要なポイントです。
ボクは山善のポータブル冷凍冷蔵庫を使っています。
アウトドアっぽいモスグリーンがお気に入りです。
テストは11月にしました。開始は13:20頃。
せっかくなので食材も入れておきました。
コンプレッサーは間欠運転で、設定温度より高くなると動いて冷えたら停まります。
コンプレッサー稼働中で30W〜45Wほどの消費。
翌朝の7:30頃に終了、残量は43%でした。
冷蔵庫も2℃でしっかり冷えています。
テストの結果、18時間の連続稼働でバッテリー残量は100%→43%に。
消費は57%(146Wh)なので、1時間当たりわずか8.1Whの消費。
RIVER2の容量(256Wh)だと約32時間も稼働できる計算になります。
ネットで冷蔵庫の消費電力を調べると、真冬と比べて真夏は2倍らしいです。
単純計算では、真夏だとRIVER2で16時間稼働できることになります。
※屋外だともっと稼働時間は短くなるはずです
コンパクトなRIVER2でも十分、冷蔵庫の電源として使えそうです。
車載冷蔵庫の使い方
「車のシガーソケット〜RIVER2〜ポータブル冷蔵庫」という配線にします。
これならエンジンOFFしてもRIVER2から冷蔵庫に自動的に給電されます。
充電しながらの使用はパススルーとなり(※)、バッテリーサイクルを消費しません。
※消費電力より充電電力の方が高いとき
まとめ
ポータブル電源は一昔前より安全性・機能性が格段に上がり、値段もかなり手頃になっています。
最近はリン酸鉄リチウム搭載のバッテリーが増え、安全&長寿命が売りになっています。
小型のRIVER2なら1万円台で買えるし、気軽に持ち運びできて活躍するシーンは多いです。
DELTA2 MAXは約15万円とそこそこの金額ですが、容量・出力が大きく蓄電池としても使えます。
キャンプや車中泊はもちろん、災害時の備えとしても1台あると安心できます。
ECOFLOWはポータブル電源の最大手だけあっても、製品&スマホアプリの作り込みも素晴らしい。
安全面への十分なテストと高性能なBMS搭載で、安心して使える製品だと感じました。
すっかりECOFLOWのファンになりました。今後の更なる製品開発にも期待です!